ビデオやグラフィックスのチップや設計資産(IP)ブロックは、大画像をすべてチップに通すのにサイクルを大量に消費するので、つねに困難が伴います。高解像度画像の台頭により、チップの処理するデータ量は飛躍的に増加し、従来のシミュレーションでは完全フレームのHDTVが扱い切れなくなりました。HDTVフレーム(1920x1080i)1枚でシミュレーションサイクルは数100万も費やされ、1秒・30フレームのビデオには数億サイクル必要です。そのため、設計者は処理する画像のサイズを小さくしてシミュレーション時間を短縮するというトリックを使いますが、切手サイズの画像でも、シミュレーション時間はかなり長くかかります。シミュレータのファームを追加しても、フレームのシーケンスをシミュレーションするには不十分です。
しかし、ZeBuでシミュレーションを高速化すれば、時間ごとや日ごとのフレームではなく、秒単位のフレームでビデオデータを検証できるようになります。ZeBuはMHzレベルの速度で動作します–これは検証ソリューションとしては最速で、実動作中のビデオを視認するにも十分な速度です。
EVEはグラフィックス/ビデオメーカーのATI、ST、Tensilica、Philips、LSI Logic、Northrop Grumman、CEAなどを顧客としており、アプリケーションはHDTVビデオ、H.264、MPEG-4符号化/復号などで実績があります。また、マルチメディア・アプリケーション向けの検証用IPも提供しており、ラインナップにはLCDディスプレイ用トランザクションベース・インタフェースや、SDR、DDR、DDR2、DIMM DRAMなどのメモリモデル、LCDディスプレイ、PCI Expressなどが含まれます。さらに、EVEはハードウェア検証だけでなく、ファームウェアのハード/ソフト協調検証のためにソフトウェア・デバッガのサポートも行なっています。
例として、Gennum CorporationはZeBu-XLを用いてHDTVビデオ・プロセッサのピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)とインタレース機能を検証しています。高解像度のビデオストリームをZeBu-XLにマッピングされたデザインにストリーム送信し、出力結果のビデオストリームをホストPCにストリーム出力し、ウィンドウに表示します。MHzレベルのエミュレーション速度を達成しているこのシステムは数秒でフレームを生成できるので、Gennumは長時間のビデオシーケンスを検証してチップが不的確なビデオ雑音を生成しないことを確かめることができます。

ZeBuを利用したグラフィックス・チップの検証