ED Online ID #18259
February 15, 2008
By ラウロ・リザッティ
EDA業界の同業者とは違い、私は2008年を楽観的に観ている。なぜなら、エミュレーションの部門は上昇しており、確実に二桁成長が見込めるからだ。そう、とあるEDA業界の経営者が業界全体でわずか2%成長という予想をしていたが、私は意に介していない。
こうして楽観するのは、いくつかの要因があってエミュレーションが再び注目されているからだが、特に大きな要因はハードウェア設計の大規模化だ。その大規模化に加えて、そこに組込みソフトウェアを混在して開発しなければならないとすると、エミュレーションをどうしても利用しなければならなくなる。実際、システム・オンチップ(SoC)の革命はエミュレーション部門にとって恩恵だった。ソフトウェアとハードウェアがひとつの完成したシステムに統合されるからだ。エミュレーションによって、ハードウェア設計チームとソフトウェア開発チームがシステムとデザインで同じ表現を共有できて、ハード・ソフト間の複雑なインタラクションを協力してデバッグできる。エミュレーションのプラットフォームは、ハードウェアデバッグと組込みソフトウェア検証が可能な一体型のシステムだ。
エミュレーション部門は、マルチメディア、グラフィックス、無線、プロセッサの設計分野で大きな成長のチャンスがある。それらの設計分野では、意味のあるデータをデザインから出し入れするためにビリオンサイクルの検証が必要になる。従来は、そういうデータはインサーキットエミュレータ(ICE)と呼ばれる物理的ターゲットシステムで生成され、使用されていた。今、トランザクションベース検証と呼ばれる、より進んだ手法がさかんに取り入れられている。この手法では、データは仮想システムで作成され、利用される。このシステムは設計プロセスの初期段階において、高位言語であるC言語、C++、SystemC、SystemVerilogなどで作成される。エミュレーションプラットフォームはトランザクションベース・インタフェースを経由してデザインのレジスタ・トランスファ・レベル(RTL)ブロックを管理し、電子システムレベル(ESL)でそれらとデザインの他の部分とのインタフェースを取る。この手法では、デザインの上流でエミュレーションを使えるというメリットがある。こうなるとほぼ無限のアプリケーションでエミュレーションが利用できる道が開ける。
マルチレベルのデバッグ手法を構築する場合、エミュレーションプラットフォームは高速なので、チャンスが広がる ― 高速であればあるほどよい。これはソフトウェアシミュレータや従来のアクセラレータ/エミュレータでは不可能だ。組込みソフトウェアを処理するには低速過ぎるからだ。マルチレベルのデバッグ手法では、設計者は異なる抽象レベルの間を行き来できる。組込みソフトウェアは最高位の抽象レベルだ。このレベルで問題の場所を発見したら、そこに焦点を絞って次の抽象レベルに移動できる。次のレベルはモニタ、チェッカ、アサーションなどで構成され、それらを使って問題を絞り込み、問題の発生源へと追跡できる。このふたつの抽象レベルで取れる情報を使い倒したら、信号レベルへ降りていって、問題がありそうと判明した時点のRTL波形を見る。ソフトウェアからハードウェアへ、というふたつの抽象レベルを行き来することが、巨大規模のシミュレーションを避けるため、および山のような詳細データを作らないための秘訣だ。
ハードウェアエミュレータ・プラットフォームの最新世代は以前のエミュレーションシステムにあった欠点を乗り越えている。このプラットフォームは巨大な容量と非常に高い性能があり、しかも個々のエンジニアの持つ予算に納まる価格のものもある。このような新型のエミュレータは設定も使用も簡単で、ハードウェア/ソフトウェア協調検証ツールとしてSoC設計者にも組込みソフトウェア開発者にも利用しやすく、中規模から大規模のデザインでメガヘルツレベルの性能が出せる。そしておそらくもっとも重要なことだが、このプラットフォームは生産性を本当に高めることが可能で、これがあれば民生向け電器製品を目標の時期に予算内で出すことができる。
さらに、半導体業界では2008年に興味深いアナウンスがあると期待している。組込みソフトウェアの流れを意識して大規模なシミュレーションサイクルをうまく扱えるプラットフォームが発表されるかもしれない。これはソフトウェア開発者から求められているものだ。そのトリック…というより進歩、だが...は、ハードウェア設計者とソフトウェア開発者の両方が分かる情報を表示する機能だ。エミュレーション部門は2008年に大いに期待している。EDA業界の中でも活発な成長部門であり、今年は素晴らしい年になると思う。
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