常識への新たな挑戦 ZeBu-Server
エミュレータ: 従来 vs. EVE
ほんの数年前までハードウェアエミュレータといえば、きわめて大型で、専用の電源設備や空調設備が必要な上に、
使うにしても専門の技術担当者を養成しなければなりませんでした。しかも、購入および保守の費用が非常に高額な
ために、同時に複数の大規模プロジェクトで並行に利用しないと、投資額に見合う効果を得ることは困難でした。
このような状況を打開するためEVEは、2002年5月の「ZeBu ZV-6000」出荷以来、一人ひとりのエンジニアが利用
可能なほどに低額かつ小型のハードウェアエミュレータの実現を目指してきました。ZeBu-ZVでは米Xilinx, Inc.の
FPGA「Virtex-II」を実装し、最速で12MHzでのエミュレーション実行を可能にしました。ZeBu-ZVはPCIカード・タイプで、
PCのPCIカードスロットに挿入するだけで設置が完了するという、画期的なコンセプトのエミュレータでした。
業界の常識を打ち破る
従来のエミュレータでは、内部を構成するチップのほとんどは特注で開発・設計されたLSIであり、エミュレータの
開発はベンダにとっても莫大な予算と投資が求められました。その結果、ハードウェアエミュレータの製品サイクルは
半導体プロセスの進歩に比べて非常に遅く、新製品の発表までに数年を要することが、なかば“常識”となっていまし
た。しかしEVEはこの“常識”に敢然と立ち向かい、新製品を毎年のようにリリースし続けています。EVEがリリースする
それぞれの新製品は前世代のものに対して特色ある改善が図られ、ユーザ様のご期待に応え続けています。これは、
これまでのハードウェアエミュレータの業界では常識破りともいえることです。
EVEのエミュレータZeBuは、小型のPCIカード・タイプと、大型のボックス・タイプに分けられます。EVEはPCIカード・
タイプとボックス・タイプのそれぞれについて、交互に新製品をリリースしています。

その秘密は最先端FPGAの活用
低額・小型でありながら高速なエミュレーションを達成するために、EVEは汎用の最先端FPGAを活用する方針をとって
います。これが、従来のエミュレータと大きく異なる点です。
EVEにとって最初の製品であるZeBu-ZVに搭載された「Virtex-II」では0.12μmプロセスが用いられていました。ZeBu-ZVの
後継機種であるZeBu-UFでは、90nmプロセスの「Virtex-4」が採用されました。「Virtex-4」では旧世代品に対して性能と
集積度が2倍になったことで、ZeBu-UFの最高速度もまた40MHzに向上しました。
業界のもう一つの常識を打ち破る
従来のエミュレータでは、その登場から15年以上の間、最大エミュレーション速度は1~3MHz程度に留まっています。
これは現在も変わっていません。しかも、エミュレータに載せるデザインがそれほど大きくなく、回路としてもシンプルで
あったとしても、このエミュレーション速度の上限から逃れることはできないのです。いかにも不条理なことではある
のですが、エミュレータの業界ではこのこともまた“常識”とされてきました。
しかしEVEは、この“常識”に対しても挑戦を
続けています。
ZeBu-XLの最高速度5MHzからZeBu-XXLでは最高20MHzと、ZeBu-XLからZeBu-XXLまでの3年の間に4倍以上の
速度向上を果たしました。そして、その挑戦は今も、そしてこれからも続いていきます。新製品のZeBu-Personalでは
最高で60MHzの速度を達成しています。
新製品ZeBu-Server
2009年7月、EVEは満を持してZeBu-XXLの後継機種ZeBu-Serverを発表しました。ZeBu-Serverは、世界で最も小さい
筐体ながらも、最大10億ASIC ゲートのキャパシティをもち、ZeBu内部のデータ転送帯域幅のさらなる強化により数億
ゲート級のデザインでも高性能な検証が実現できます。多くの新新技術により、ZeBu-XXLに比べて以下のような向上を
達成しました。
| ■FPGAあたりの論理回路容量 |
1.6倍 |
 |
■メモリ容量 |
20倍 |
■最大エミュレーション速度 |
1.5倍 |
さらにZeBu-Serverは、マルチユーザ、マルチインタフェースによるマルチボードをサポートしました。これにより、複数の
ユーザが必要な規模でのエミュレートが可能になりました。
65nmプロセスFPGA「Virtex-5」
ZeBu-Serverでは最先端FPGAである「Virtex-5」LX330を搭載しています。以下に、Virtex-4に対するVirtex-5の長所の中で
ZeBuの視点から特徴的な項目を挙げます。
| ■LUT |
4入力から6入力に強化 |
■分散RAM |
64ビット/CLBから256ビット/CLBに強化 |
■インターコネクト |
斜め配線追加による配線の高速化 |
■ブロックRAM |
ブロックあたり18Kbitから36Kbit (2 x 18 Kb)に拡張 |
■DSPブロック |
FPGA あたり最高 512 スライスから最高640スライスに拡張 18 x 18 ビット MACから25 x 18 ビットMAC に強化 |
FPGAに関するこれらの改善により、ZeBuにおいても大きな効果が期待できます。
PCI-Express
これまでのZeBuエミュレータのほとんどは、ホストコンピュータとのインタフェースにPCIバスを用いてきました。しかし、
ZeBu-ServerはPCI Expressが採用され、その転送レートは2Gbpsに達しました。
すべてはお客様のために
EVEは、エミュレータ本体だけではなく、効率的かつ効果的な論理検証環境の構築に不可欠な検証IPおよび開発支援
ツールの開発と提供に、積極的に取り組んでいます。EVEはこれからも、お客様のご期待に応えられるよう、理想的な
論理検証環境の実現のために全力で邁進してまいります。